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にきび

にきび(尋常性ざ瘡)

ニキビについて、大切なこと

ニキビの一番の問題は、顔に一生その傷(ニキビ痕)が残ってしまうことです。
ニキビは、治療をしないで放置すると、ニキビ痕が残ることがよくあります。一度ニキビ痕が生じてしまうと、その傷跡を完全に元通りに治すことは、残念ながらできません。皮膚には表皮と真皮というものがあり、真皮は一度傷がつくと、二度と元通りには再生しないからです。
ニキビ痕は、主に顔にできますので、その見た目の問題から、生活の質に与える影響が大きいものです。
ですから、ニキビ痕をつくらないように、早めに治療を開始することを強くお勧めしています。

いつから治療する?

ニキビの好発年齢は、12~13歳ごろです。ニキビができ始めたら、ひどくなる前に、早めに皮膚科クリニックを受診してください。
薬局で買える外用薬もありますが、効果が十分でないため、医師が処方する医療用医薬品を使用することをお勧めします。
当院では、最新ガイドラインに沿った治療を行っており、患者さんの年齢や体質にあった処方薬をご提案しています。まずは、医師にご相談ください。

日ごろ気をつけてほしいこと

ニキビは皮脂分泌の亢進が大きな原因のひとつになっていますので、スキンケアが非常に大切です。洗顔して毛穴の詰まりを予防しましょう。洗顔は、石鹸をつかって、ぬるま湯で1日2回行うようにします。
また、前髪がおでこにかかっていると、髪の毛の刺激と皮脂の蓄積によりニキビが増悪しますので、できれば前髪をつくらないように工夫したほうがよいです。
保湿剤や化粧品については、油性のものは毛穴をふさぎ、ニキビを悪化させる可能性があります。乳液ローションタイプのノンコメドジェニック製品がおすすめです。

 

 

(以下は少し詳しい解説です。ご興味のある方はご覧ください)

にきびの原因

原因は、①皮脂の分泌が亢進すること、②毛穴の角化異常、③アクネ桿菌の異常増殖と炎症の誘導、④男性ホルモンの影響があると言われています。
皮疹は、まず毛穴の出口が詰まることから始まります。出口を塞がれた皮脂が内部に蓄積していき、併せて角質や細菌もたまっていきます。そのうち毛穴の内部に炎症が生じることで、赤いニキビになります。

診断

特徴的な見た目と好発年齢などから診断します。
ニキビの重症度は次のとおりに決まります。

軽症:顔の片側に炎症性皮疹が5個以下
中等症:〃6~20個以下
重症:〃21~50個以下
最重症:〃51個以上

治療

治療については、急性期と維持期に分けて考えます。
急性期とは治療開始後3カ月までの期間で、炎症性皮疹である赤いニキビを治療していきます。治療薬としては、過酸化ベンゾイルと抗菌薬の合剤(外用薬)や内服の抗菌薬などを使います。
赤みが落ち着いたら、維持期の治療に移ります。維持期では、アダパレン、過酸化ベンゾイルなどの外用を行います。
以下、それぞれの薬剤の特徴を説明します。

過酸化ベンゾイル(ベピオ®

強力な抗菌作用と角質剥離作用のある薬剤です。急性期と維持期のどちらの治療でも使用できます。
赤みや乾燥などの刺激症状が生じる場合は、保湿剤を併用したり、ニキビのところだけスポットで外用したり、外用頻度を減らすことで対応します。
漂白作用がありますので、衣類に付かないよう注意して使用する必要があります。

ベピオ®添付文書等

 

デュアック®

過酸化ベンゾイルと抗菌薬(クリンダマイシン)の合剤です。過酸化ベンゾイルの効果に加えて、クリンダマイシンによる抗菌作用と抗炎症作用が加わります。急性期の治療に使用します。
保湿成分も配合されているため、赤みや乾燥などの副作用が生じにくいというメリットもあります。

デュアック®添付文書等

 

アダパレン(ディフェリン®

角層の分化を正常化する作用があります。主に、維持期の治療に使用します。
乾燥や刺激症状がある場合は、保湿剤を併用したり、ニキビのところだけスポットで外用したり、外用頻度を減らすことで対応します。
なお、妊婦や12歳以下の小児の方は使用できません。

ディフェリン®添付文書等

 

抗菌薬

ニキビは、アクネ桿菌が関与しているため、抗菌作用や抗炎症効果を期待して抗菌薬を使います。
外用薬としては、ダラシン、アクアチム、ゼビアックスなどがあります。主に急性期の治療に使用し、赤みのあるニキビに外用するようにします。
内服薬としては、ビブラマイシン、ルリッド、ファロム、クラビットなどがあります。内服薬も主に急性期の治療に使用します。

 

ニキビ痕については、ステロイド局注、手術、レーザー治療やダーマペン(自費診療)などの治療方法があります。
また、難治性のニキビについては、保険適用外ですが、ケミカルピーリングやイオン導入などの治療方法もあります。

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